こんにちは!英語学習コーチのムラカミです。
突然ですがあなたは「Grammar In Use」という本をご存知ですか?
「Grammar In Use」というのはその名の通りGrammar(文法)の本(洋書)なのですが、
世界中の語学学校で教科書として採用されている参考書で、
世界中の英語学習者から絶大なる支持を受けている
世界で一番使われている英文法の本なのです。
(なんと世界で3000万部を超える大大ベストセラー!)
なぜ「Grammar In Use」がこれほどまでに人気があるのかというと
- イラストが多く初心者でもとっつきやすい
- しかもイラストが分かりやすい!
- 演習問題が豊富で分かりやすい
など、理由はいろいろあるのですが
それ以上にGrammar In Useというのは
- ネイティブ感覚の実践的な英語が学べる
- 実践に役立つ、本当に使える英文法が学べる
ということが、
こんなにも世界中で高く評価されている最も大きな理由です。
実際、私自身もこんな本で英文法を学びたかったなぁと思う「超おすすめの本」ですので
Grammar In Use についてはまた別の記事で詳しくご紹介させていただきますね。
ということで、この記事では
そんな「Grammar In Use」の中で非常に重要な項目として説明されているにも関わらず
日本の中学・高校ではほとんど教えられていない、
また、一般的な日本の英文法テキストでもあまり取り上げられていない項目の中から
「much」の使い方について少し取り上げたいと思います。
あなたはどこまでmuchの使い方を把握することができていますか?
Muchの使い方のルール
many, much, a lot of は
いずれも「たくさんの」という意味を表す言葉ですが
Many は 数えられる名詞(可算名詞)に、
much は数えられない名詞(不可算名詞)に使い、
A lot of は 可算・不可算どちらにも使える、、
と中学校で習ったのではないでしょうか?
実際、私にはハッキリとそう習った記憶があります。
(だから私は「迷った時にはa lot of を使えば間違いない」と思っていました)
もちろん、それは間違いなくその通りなのですが、
実はmuchの使い方に関しては学校ではあまり教えられていない大事なルールがあるのです。
それは
「muchは単独では肯定文で(基本的に)使わない」
というものです。
実際、ネイティブは
It uses much electricity.(電気をたくさん使う)
や
I drink much coffee. (私はたくさんコーヒーを飲みます。)
とは言わないんですね。
・・・え?! と思いませんでしたか?
はじめてこのルールについて聞いたとき、私は「・・・え?!」と思いました。
私は中学・高校でそんなルールは習った記憶がありませんし、長年、普通にこういう言い方をして来たように思ったからです。
ですが、
「私はコーヒーをたくさん飲みます。」を英語で言う場合、
正しい英語は I drink much coffee. ではなく
I drink a lot of coffee. となります。
ただし、下記は正しい使い方です。
I don’t drink much coffee. (否定文では単独で使える)
I drink too much coffee. (too much, so much のように、単独でなければ肯定文でも使える)
Grammar in use にはイギリス英語版、アメリカ英語版、初級・中級・上級、といろいろな種類があるのですが
TOEIC500点くらいまでの方におすすめしたいアメリカ英語版の初級編である
「Basic Grammar in use」のUNIT 84 「a lot, much, many 」では
実際このように説明されています。
・・・・・・・・・
We use ’much’ in questions and negative sentences:
(muchは疑問文や否定文で使われます)
・Do you drink much coffee ?
・I don’t drink much coffee.
But we do not often use ’much’ in positive sentences:
(ですが、肯定文ではほぼ使いません)
- I drink a lot of coffee. (not ‘ I drink much coffee’)
- Do you drink much coffee ? ‘Yes, a lot.’ (not ‘ Yes, much’)
*many と a lot of は肯定文/否定文/疑問文 いずれにも使えます。
・・・・・・・・・・・
事実、「I drink much coffee.」 のように muchを単独で肯定文で使った場合、
ネイティブにはかなり「不自然な英語」に聞こえるようです。
このように、Grammar in Use の中ではきちんと説明されているけど
日本の学校では大きくとりあげられない文法事項がある一方で
逆にGrammar in Useシリーズではあまり説明されていないけど
日本の文法テキストでは丁寧に説明されている重要な文法事項もありますので(ex.不定詞)、
日本の文法テキストよりGrammar in Useの方が優れている、ということではないのですが
「ネイティブ感覚の実践的な英語を学べる」という点では
Grammar in Use はとても頼りになる英語教材です。
英文法の勉強を私がすすめる本当の理由
英語を学び始めても、もしかすると
英文法なんて、そんなに勉強しなくてもいいんじゃないの?
とあなたは思うかもしれませんね。
もちろん、I drink much coffee. と言ったとして
「コーヒーをたくさん飲みます」と言っているということは伝わりますから、
細かい文法なんか気にしなくても伝わればいいんじゃない?
と思う方もおそらくいるでしょうし
私も「間違うことを恐れて話せないよりは、間違ってもいいから思い切って話してみる」方が
全然いいとは思っています。
ですが、そうは言っても
間違うことを恐れず思い切って話すことと
正しい英語を学ぼうとしない、ということは別だと私は思うのです。
もし、あなたの前に
間違いだらけの日本語でペラペラと話してくる外国人Aさんと
それほど流暢ではないけど、正確な日本語を丁寧に自分の言葉で伝えようしている外国人Bさんがいたとして
あなたはAさんとBさんのどちらに良い印象を持ちますか?
また、一緒に仕事をしたいと思うのはどちらですか?
私なら間違いなくBさんを選びます。
実際、いくら話し方が流暢であっても、間違いだらけの日本語で話し続けられると
言いたいことは確かに分かるけどなんか疲れるなぁ、、、となってしまいますし
日本語でも誤字脱字だらけのメール文を読むと、書いてある内容の信頼度も下がりますよね。
つまり、正しい言葉を話すというのは相手に対する思いやりであり、
その言語を話す人に対する敬意でもあると私は思います。
ですので、せっかく英語を勉強するなら
ただ「伝わればいいでしょ!」とブロークンな英語を話すのではなく
「出来るだけ正確な英語を丁寧に自分の言葉で伝えられる」、
相手を思いやれるきちんとした英語を目指したいですね!
最後まで読んでくださってありがとうございました。